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闇夜のBBQから一夜、車で寝ていると誰やらユサユサと起こす。
ムニャムニャムニャ・・(な~にぃ~・・・?)
「今日なんか予定あるんじゃないですか?」
(んんー・・なんだったけか・・・あっ!!そうだ!ボート!)
起こしてくれたキミ兄やんに起こしてくれたお礼も言わず猛ダッシュ。
なんとか時間前に自宅に戻り、着替えを済ませて娘達と会場入りできた。
会場では既に出場者達が集まり、オープニングセレモニーの真っ最中。
そんな中、主催者側が用意してくれているボートを借りるため、船体係のスタッフを捜して呼び止める。
貸しボートはいいものから先着で選ばれるため、残った最後の1艇はオーバル型の普通のモデル。
船底にキールも無く船首も反ってないので、推進力は他のものに比べて劣ってしまうが、遅く来たのだから仕方ない。
スタート地点に移動し、開戦の号砲を待つ。
二日酔いもほとんど無く意外にスッキリ。
我々は親子の部の3番手スタート。
1艇、2艇と30秒間隔でスタートしていく。
そしていよいよ我々のスタート。
まずは流れを読み、太い流れに乗ることにする。
本気で漕いでしまって娘の漕ぐ力と合わずにクルクル回る。
最初から大声でピッチの確認と漕ぎ手の指導。
さすがに6年生、去年とは明らかに違って漕ぐ力が付いている。
すぐに2番手のチームの背後を捕えた。
よぉしこのまま! と思った中盤で突然の失速。
どうやら疲れてしまったか、娘が辛そうな顔。
後ろから凄い勢いで追い抜いていった親子。
「ほら、もう少し頑張れ!悔しいだろ?」
コクン、と頷いた娘。
さぁ巻き返すぞ!と向き直した正面で、突如としてバランスを崩す目の前のボート。
子どもがたまらず川に転落。
「うわ!何やってんだ馬鹿野郎!」
激しく罵る父親も船体もろとも転覆。
「何考えでんだ!!馬鹿野郎!」
そう言いながら荷物を流されまいと必至で拾う馬鹿父。
そうじゃないだろう・・
「ぼく!? 大丈夫か? そんなのいいからボートに掴まれ!」
父親に怒られまいと、流されそうなサンダルを拾おうとボートから大きく離れる男の子に声を掛ける。
しばらく心配で見ていたが、どうやら大丈夫そうなのでレースに戻ることにした。
先に出発しているカヌーの人たちも次々と転覆、前を塞ぐ。
雨の増水が、川底の岩や橋脚跡にぶつかり大きく波を立てる場所が所どころにある。
船体を横に向けて進もうなら一発で転覆してしまう。
ブレーキ覚悟でオールを突っ込み船体の安定とコース取りに専念せざるを得ない。
危険なエリアを抜けてからは、娘に説教まじりの激を飛ばし進む。
口調は穏やかに、諭すように。それでも漕ぐ手は決して休ませず激しく。
「あのな、どのみち負けるにしても、一生懸命頑張ってみな。」
「・・・・」
「一生懸命頑張って、もう少し!というところで負けても、頑張った分充実感がある。
悔しい!って一生懸命思えるだろ。力を出し切らないで負けたら何も残らない。」
「・・・・」
「まだお前は力を出し切れてないだろ?」
「・・・・」
「頑張るか!? 行くぞ!!」
「うん。」
手の豆を潰しながら必至に漕ぐ娘。
もう少し、もう少しと騙しながらピッチを合わせて進んでいく。
『親子の部ゼッケン3番、○○さん親子ゴールです』
陸に上がると崩れそうになる娘。
力を出し切った顔には充実感が浮かぶ。
結果は如何に・・・・。
表彰会場へと移動し、お弁当休憩を挟み表彰の部が始まる。
パフォーマンスの部、レディースの部と表彰が進む。
いよいよ親子の部。ドキドキの発表。
『第3位・・・●○さん親子!」
あぁ~・・・・
『第2位・・・○●さん親子!』
んああぁ・・・・
『第1位・・・●●さん親子!』
ふ~ん・・・
結果表を貰いビックリ!!
なんとなんと1秒差の4位!
たった1秒・・・されど1秒の表彰無し。
あの時、転覆した親子に構ってなければ・・・
あの時、カヌーに邪魔されなければ・・・
いやいや、人のせいじゃない。転覆した人を放っておいて勝っても素直に喜べないだろうし、
転覆したカヌーを助けるためにレスキュー艇がが立ち往生したのも時の運。
「もう少し早く頑張れば3位どころじゃなく2位も狙えただろ? な?頑張ればイケルだろ(笑)」
あまりの僅差に笑いながら娘に話しかけると、キラキラした眼をしながら素直に頷く娘。
「うん!」
結果は残念だけど、それ以上に得られるものがあったんじゃないかな。
その数日後の市内の小学校の水泳大会では、ちょっとだけ本気を出してくれて6位に入賞した娘。
普段はそんな(早い)素振り見せない娘に先生達も驚いた様子。
同級生は知っていたみたいだけどね。
目立つことを良しとせず、どちらかと言うとすぐに手を抜く娘。
今回のボートレースのこと、水泳大会のことが、少しは自信になってくれたら嬉しい。
お前はもっとやれるだろ?