Gクラッチの取説
最近ではS-stickやGクラッチについて見ていただいている人がほとんどのようです。
簡単に自作できるクラッチシステムとして、それなりに評価されてのことと嬉しく思います。
それなりによく回って、それなりにトルクも得られ、それなりに釣りになる電動リールが自作できちゃいます。
ただ、そこから先に実はキモがあるのですが、敢えてそこには踏み込みませんでした。
それは何故か。
どんなパーツを
どんな位置に
どんな風に配置しているか
それらを穴があくほど見て、100均やホームセンターに宝探しに行き、お宝を見つけては自宅でシコシコ削ったり、切ったり貼ったり、組み上げてはニヤニヤ。
そしてフィールドで答え合わせをするかの様に使ってみる。
そこにこそ自作の楽しみがあると思うからに他なりませんでした。
また、敢えて詳しく書かないことで、各人の使うパーツや配置の仕方で違った個性が生まれるのも魅力と思っていたからです。
ネットを徘徊していますと、かなりの方がGクラッチを採用されて自作を楽しんでおられますが、一方できちんと望んだ結果が得られずにいる方もいるようですね。
なのでおこがましいようで恐縮ですが、ここらで自分なりの解釈を書いてみたいと思います。
何らかのヒントになれば幸いです。
ただし、今度も部品の詳細は敢えて書きません。
まず初めにクラッチ部分です。
一番最初に閃いたときは、クラッチを前に倒して固定、後ろに引いてフリーという機構でしたが、固定時にはより吸着力が強く、フリー時には高回転になるように、最終的には真逆の方向に。
クランク部を作ることで更に奥に納まるように配置。
シャフト〜磁石〜モーター軸の距離感に注目です。
シャフトより前に磁石を配置してしまうと、シーソーの原理でスプールはズルズル滑りまくるでしょう。
シャフトにはバネを入れることでクラッチ切り替えのレスポンスをサポートしています。
バネは短く使うことで、使用経過による伸び縮みの誤差を少なくできます。
意外と重要視していない方が多いのがモーター軸。(sinさんのご指摘を検証した上で一部訂正と加筆しました)
こことスプールの接地面が大きければ大きいほど回転も安定しますし、トルクは太く強くなります。滑らなくなります。トルクに関しては、スプールと磁石のクリアランスも大きく関与するのですが、あまりに密着させると巻き上げスピードが極端に落ちます。消費電力もうなぎ上りです。
また、スプールの内径と外径の差で、無駄な力(自分でブレーキをかけてるのと同じ)が生じてしまいます。 極力外側へ接点を設けることで、回転は安定しスピードも上がります。回転が安定することで回点音が静かになる利点も。
写真はノンスリップ番長セッティング(笑)。滑りたくないという一心で接地面を増やしていましたが、sinさんがコメントでご指摘の浅いセッティングはいいことづくめ。写真のゴム管の1/3程度が掛かるくらいに後ろにズラしたところ、スリップもなく効果は覿面でした。
スプールには生ゴムを貼っています。
何も無くても滅多に滑るようなことはありませんが、これを貼ることでより滑り知らず。
スプールエッジを手で押さえるとモーターが止まりそうなくらいの効果はあります。
貼ったばかりのゴムは滑るので「何だよ!」と思わないでください。
使って少し削れたあたりで効果を発揮しますので、最初に紙やすりで荒削りするのもいいかも知れません。
見た目に可愛い棚ストッパーもきちんと作用するんですよ。
クリちゃんと呼んでます(笑)
棚ストッパーはスプールの内側にラインが入って止まらないと効果は得られませんよ。
そしてもう一つ、クラッチには関係ありませんが、穂先受けの支持部にもキモがあります。
黒いのはゴム管。その中にプラ管。
カラーナットは受け部をゴムと挟み込むためのもので、実際に固定するのはナットよりも細い径のビスセットです。
これとアルミパイプの穂先受けの尻がゴム管に圧着することで、ある程度の圧力でビスを締めれば、手で簡単に角度調整できて、合わせを入れたり魚が掛かったりしてもズレ知らずのシステムとなります。
端子単体では不安な強度不足も解消できています。
これもお薦めです。
最後に、アルミスタンドについて。
叩き台の上での揺れを防ぐため、より密着した低重心のスタンドを模索した最終形です。
尻上がりの形状により、誘いやすく、握りやすくなっています。
また、への字形状は手持ちの場合はトリガーになり、丁度ベイトタックルを握りこむ感じです。
ツルッと滑って落っことしてしまうこともありません。
もともとは息子が手を滑らせ湖底のオブジェにしてしまったことから発想したスタンドですので、握りやすさには自信ありです。
と、要所要所だけ説明しましたが、これが答えだとは申しません。
Gクラッチに関してはこれがヒントとなればいいと思っています。
なるべくシンプルに。
トラブルレスを目指せば自ずとシンプルな構造になっていきます。
S-stickのThe ORIGIN、sinさんの最新モデルを見れば分かりますよね。
- 関連記事
-
- わかさぎ第12戦/暴風デート (2015/02/16)
- Gクラッチの取説 (2015/02/14)
- わかさぎ君とチカちゃん (2015/02/13)